ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」247

フルーツやクリームがだんだん減ってくると、スプーンが、コツン、と何かに当たりました。
(男の子)「何かな?」
クリームの奥に入っていたのは、かわいいうさぎのマカロンです。
(男の子)「うわぁ、かわいい!」
お父さんも楽しそうに、
(お父さん)「すてきなお菓子だね。」
男の子はうさぎのマカロンを食べて、
(男の子)「おいしい!クリームの奥にかわいいお菓子が隠れてるって、もっと楽しく食べられるね。」
(お父さん)「面白い工夫だね。」
男の子とお父さんはお互いの笑顔を見てうれしそう。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」246

女の子の隣に座っていた男の子はパフェを見て、
(男の子)「このパフェ、メニュー表に「クリームの奥には何があるかな?」って書いてあったけど、本当に何があるのかな?」
お父さんは言いました。
(お父さん)「自分で食べて、確かめてごらん。」
男の子はうれしそうに、
(男の子)「うん、確かめるよ!」
男の子は、スプーンでパフェのフルーツやクリームをすくって食べていきます。
お父さんも、クリームの奥に何があるのか、ちょっと気になっていました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」245

(女の子)「そうね、溶けちゃう前に食べないとね!」
女の子はスプーンでコアラのチョコアイスをすくって食べると、
(女の子)「とってもおいしい!」
女の子はすてきな笑顔を見せました。
お母さんも笑顔になって、
(お母さん)「コアラちゃんも喜んでいるわよ。」

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」244

(女の子)「コアラちゃんがかわいくて、なんだか食べるのがかわいそうな気がして…」
お母さんは優しく言います。
(お母さん)「そんなことはないわよ。」
(女の子)「えぇ?」
(お母さん)「お料理やお菓子はみんなにおいしく食べてもらうことが1番なの。コアラちゃんも食べてもらうのを待っているはずよ。」
それを聞いた女の子は、

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」243

いつものようにお客様達がおしゃべりしながらお食事をしているのが見えます。
あるテーブルで、家族がおやつを食べながらおしゃべりしています。
女の子はコアラの形になっているチョコアイスを見て、
(女の子)「わぁ、見て!かわいい!」
女の子は目を輝かせます。
でも、女の子はスプーンを持ちながらも、アイスにスプーンを入れるかちょっと迷っているみたい。
お母さんが聞きました。
(お母さん)「どうして食べないの?」
女の子は言いました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」242

(ミール・ユヅルの父)「ユヅルだって、お料理やお菓子作りに、真剣に取り組んでいるじゃないか。」
(ミール・ユヅルの祖母)「そうよ、お料理やお菓子を作っている時、ユヅルの目がきらめいているの、おばあちゃんは見ているんだから。」
ユヅルの瞳に、小さな光がともりました。
(ユヅル)「お客様達はどうしてるのかな…」
ユヅルはキッチンからそっとお客様達の方を覗いてみました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」241

(ミール・ユヅルの父)「そうだなぁ、父さんやおばあちゃんはカフェ・ド・アニマルで過ごす時間を通してお客様が笑顔になれるようにって、気持ちを込めてお料理やお菓子を作っているんだ。」
(ミール・ユヅルの祖母)「お客様の「美味しいね」って笑顔が大好きなの。」
それを聞いたユヅルはじっと考え込みました。
ユヅルは「早く上手にならないと」と自分で自分を追い込み、お客様の笑顔まで心が向いていませんでした。
自分で自分の作ったお料理やお菓子を食べてみた時、お父さんやおばあちゃんが作るようなあたたかみがないと感じていました。
(ユヅル)「僕はお客様の笑顔、大事なことを考えてなかった…」
下を向くユヅルにお父さんとおばあちゃんは、

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」240

(ミール・ユヅルの祖母)「あら、ユヅル」
(ミール・ユヅルの父)「来ていたんだね。」
(ユヅル)「うん…」
ユヅルは少し小さな声で答えました。
お父さんとおばあちゃんはかがんで、ユヅルの目の高さに合わせます。
ユヅルは声をしぼりだしました。
(ユヅル)「父さんやおばあちゃんは分量、盛り付けにも気を配っていて、上手にお料理やお菓子を作れる。僕だってレシピの本を読んだりいつも練習してるのに、うまく作れるようにならない…どうしてなんだろう…?」
それを聞いたお父さんとおばあちゃんは、ユヅルの瞳を真っ直ぐ見つめて、言いました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」239

キッチンでは、お父さんとおばあちゃんはいつものようにてきぱきとお料理やお菓子を作っています。
ユヅルはお父さんとおばあちゃんの作っているところをじっくり見てみました。
お父さんやおばあちゃんの作るお料理やお菓子は、お客様達を楽しい気持ちにしてくれるからです。
お父さんやおばあちゃんはいつもてきぱきとお料理やお菓子を作っていて、分量や盛り付けなどにも気をつかっています。
見ていたユヅルは思いました。
(ユヅル)「いつも通りお料理やお菓子を作ってるだけ…僕だって練習を重ねれば…」
その時、お父さんとおばあちゃんがユヅルに気づきました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」238

その時、キッチンからトントンと材料を切る音や、コトコトとお鍋の音が聞こえてきました。
まるでキッチンの演奏会みたい。
お父さんとおばあちゃんがお料理やお菓子を作っているのです。
ユヅルのきっちりし過ぎていて緊張が伝わってくるような音とは違い、軽やかで楽しくなってくるような音です。
(ユヅル)「父さんやおばあちゃんはすごいなぁ…」
お父さんやおばあちゃんはいつもお料理やお菓子作りを教えてくれて、ユヅルの大好きな家族なのに、なんだか悔しくなってしまいます。
ユヅルはなんだか心が揺れて、お部屋を出ると、キッチンの入り口からお父さんやおばあちゃんがお料理やお菓子を作っているのをそっと覗いてみました。

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