ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」237

(ユヅル)「そうだよ。僕も、早く上手にお料理やお菓子を作れるようになりたいって思ってたんだ。でも…」
ユヅルはお料理やお菓子作りがうまくできずに落ち込んでいた時、お部屋に行ってレシピの本を開きました。
ユヅルはお料理やお菓子を上手に作れるようになるために、いろんなお料理やお菓子作りの本を読んでいます。
レシピの本を何回も読み返して、その通りに手を動かしているのですが、うまく作れないのです。
自分の頑張りが自分でも大切と思えず、ユヅルはため息をつきます。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」236

その子は砂の街をすてきにしようと、一生懸命飾りを集めてきてくれました。
花びらは美しい色合いで目を引く飾りです。
その子も気に入っていました。
自分で頑張って集めてきたものだから、それを砂の街にしっかり生かしたいと思っていたのです。
花は形を掴みやすくて簡単だと思っていたけれど、いざやってみるとそう簡単にはいきません。
みんなはアイデアいっぱいに楽しく作っているのに、自分は悩んでばかり。
遊びは楽しむのも大切です。
気に入っているものをうまく表現できず、楽しく過ごせないことは、自分がみんなから離れているようで、確かに悩みます。
ユヅルはしばらくしてから、口を開きました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」235

それは、砂の街の飾りを集めてきてくれた子です。
ユヅルは声をかけました。
(ユヅル)「どうしたの?」
その子は少し難しい顔をして答えました。
「お花の模様って、意外と描くの簡単じゃないね。あんまりきれいに描けないなぁ…お花って形ははっきりしていて簡単だと思ったけど、難しいな…」
その子は少し元気をなくしています。
ユヅルはその子の心のことを考えてみました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」234

(ユヅル)「もちろん、一緒に模様を描こう!」
ユヅルは一回り小さな木の枝を見つけました。
「木の枝をペンに使うんだね!」
(ユヅル)「うん、でも、ケガをしないように気をつけてね。」
子ども達は小さな手で木の枝のペンを持って、
「塔にお花の模様があったらすてきだな。」
「花びらの模様も描いてみようよ。」
アイデアを出し合いながら、とても楽しそうに砂のお城にお花の模様を描いていきます。
ユヅルも楽しく模様を描いていると、子ども達の中に1人、手が止まっている子を見つけました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」233

そして、子ども達の真似の元となっている人の世界も広がります。
上手にできるようになると、ついまだできなかった時、たくさん頑張った時の気持ちを忘れがちです。
でも、一生懸命に真似をする子ども達の姿を見ると、その時の記憶がよみがえってきます。
練習を重ねていた時のことを思い出して、新鮮な気持ちでまた頑張れます。
ユヅルは子ども達の生き生きとした姿に元気をもらったのです。
ユヅルは優しく笑って言いました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」232

子ども達は好奇心旺盛で真似が大好き。
子ども達は誰に言われるまでもなく、自分で「楽しそう」「すてきだな」といった明るい気持ちにきっかけに、「真似」を始めます。
「真似」でも、子ども達はどんな工夫があるのかよく見て、一生懸命に取り組みます。
「真似」はいつか、その子ども達の「上手」になります。
それは、子ども達の世界を広げていくことに繋がります。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」231

ユヅルは子ども達が喜んでくれて、とてもうれしく、もっと楽しくなりました。
ユヅルは子ども達に言いました。
(ユヅル)「気に入ってもらえてよかった。」
子ども達は元気よく言いました。
「ユヅルお兄ちゃん、頑張って描いたんだね。」
「僕達も模様を描いてみたいな!」
それを聞いたユヅルは顔を輝かせました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」230

「わぁ、お花の模様だ!」
「桜、チューリップもある!」
ユヅルは砂のお城にお花の模様を描いていたのです。
お城にはたくさんの人が住んでいて、いろんなお話に花が咲きそう。
おとぎ話の世界を思い浮かべて、子ども達の夢も花開きます。
そんな想いで、ユヅルは花柄を選んだのです。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」229

おとぎ話に出てきて、大広間やきれいなバルコニー。
想像するだけで、夢と笑顔があふれてきます。
ユヅルはいいアイデアが浮かびました。
(ユヅル)「よし、頑張ろう!」
ユヅルは木の枝を使って、砂のお城に模様を描き始めました。
(ユヅル)「うまく描けるかな…?」
砂に模様を描くのは初めてで少しドキドキします。
「遊び」でも真剣そのものだからです。
でも、描いているうちにすぐに楽しくなってきました。
砂の街を作る1人になれる、それがとてもうれしいのです。
(ユヅル)「みんなが頑張ってるんだ、僕も頑張って、みんなで砂の街をすてきにしよう」
ユヅルが一生懸命に描く砂のお城の模様を子ども達は覗き込んで、

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」228

ユヅルはお城の模様を考えます。
(ユヅル)「お城にはどんな模様が合うかな?」
お城はとっても広くて、いろんなお部屋がありそう。
もしかしたらお城の奥に、秘密のお部屋があるかも…。
お城には王様やお姫様、いろんな人が住んでいるのかな?
いつも賑やかで、窓からは笑い声が聞こえてきそうです。
子ども達にとって、お城は夢であふれている建物です。

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