(ラブ)「ピピさん、どこへ行くの?」 (ピピ)「ピノとピムと夕ごはんの材料を買いにマーケットへ行くんだ。」 (ラブ)「ピピさん、お手伝いもしてるのね。」 (ピピ)「いつも俺たちのご飯を作ってもらってるからな。それじゃあ、行って来るな、ラブ。」 (ラブ)「いってらっしゃい!」 ピピとピノとピムは、マーケットに向かいました。
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(ラブ)「ピピさん、どこへ行くの?」 (ピピ)「ピノとピムと夕ごはんの材料を買いにマーケットへ行くんだ。」 (ラブ)「ピピさん、お手伝いもしてるのね。」 (ピピ)「いつも俺たちのご飯を作ってもらってるからな。それじゃあ、行って来るな、ラブ。」 (ラブ)「いってらっしゃい!」 ピピとピノとピムは、マーケットに向かいました。
次の日の朝、ピピが目を覚ますと、ラブもピンクの瞳を開けました。 (ピピ)「おはよう、ラブ。体調はどうだ?」 (ラブ)「昨日よりはよくなったわ。」 ラブとピピは着替えて身支度をすると、リビングに行きました。 (ピピ)「ラブ、朝ごはん、無理して食べなくてもいいからな。」 ラブはいつもよりは少なかったけれど、朝ごはんを食べました。 ラブとピピは歯磨きをすると、ピピはかばんをとりました。
(ピピ)「ラブ、氷も持ってくるな。」
ピピは冷蔵庫から氷を取り出して、袋に入れると、ラブの体に当てました。
(ピピ)「ラブ、水は飲めるか?」
ラブは答えました。
(ラブ)「ええ、飲めるわ。」
(ピピ)「よし、持ってくるよ。」
ピピは冷蔵庫から水を出して、コップに入れると、ラブに持って行きました。
ラブは今日はピピのおうちに帰る日です。
ピピは自分の部屋のラブにベッドを寝かせて、言いました。
(ピピ)「ラブ、冷たいタオルを準備するからな。」
ピピはタオルをとって、冷たい水に入れてから絞ると、ラブのひたいに乗せました。
(ラブ)「ありがとう、ピピ君。冷たくて気持ちいいわね。」
ラブが小さな声で言いました。
それを聞いたピピは明るく笑ってみせました。
(セミ)「すぐに体を冷やして、休めば大丈夫だよ。」
(ミラリィ)「ええ、ラブちゃん、すぐに休みましょう。」
ラブはうなずきましたが、10日しか外で過ごせないセミさんと遊びたかったのに、帰らなければいけなくなってしまい、悲しくなりました。
(ラブ)「セミさんと遊びたかったな…。」
(セミ)「大丈夫、ちゃんと休めば良くなるよ。」
(ラブ)「うん…。」
ラブはみんなと街に戻りました。
(スノー)「ラブちゃん、大丈夫?」
(フルア)「ラブちゃん、どこか痛い?」
(ラブ)「めまいがするの…」
セミは言いました。
(セミ)「これは…熱中症だね。」
(イオ)「やっぱり…。」
ラブは言いました。
(ラブ)「わたし、病気なの?」
(セミ)「暑いときに熱が体にこもって、どんどん体温が上がってしまう危険な状態なんだ。」
ラブは小さな声で言いました。
(ラブ)「どうすればいいの?」
セミは答えました。
(イオ)「ラブちゃん、何かあったら言っていいんだよ。」
(ラブ)「大丈夫よ…きゃっ!」
ラブはまた頭がクラクラとして、ふーっと倒れてしまいそうになりました。
(ミラリィ)「ラブちゃん!」
ミラリィはラブを抱き上げました。
(ラブ)「うぅ…」
ラブはぐったりとしています。
そこへ、スノーとフルア、セミも降りてきました。
(セミ)「本当に大丈夫なのかい?」
セミも心配そうですが、ラブはみんなと外で遊べる元気はあるから大丈夫、と思って言いました。
(ラブ)「ええ、平気よ。」
イオ達もそんなラブの様子を見て、違和感を覚えていました。
(ミラリィ)「ラブちゃん、どうしたのかしら…?」
(ピピ)「ちょっと休ませた方がいいかもしれないな。」
(イオ)「ラブちゃん、もしかして…」
ミールがラブに言いました。
(ミール)「ラブちゃん、ちょっと降りてきて。」
(ラブ)「わかったわ。」
ラブが降りてくると、イオ達はラブに言いました。
(セミ)「でも…これが僕達セミが次の世代に命をつないでいく方法の1つなんだ。それに、来年の夏にはまた新しいセミ達に会える、だからさみしいことことなんてないよ。」
ラブ達もうなずきます。
(ラブ)「そうね、セミさん達にずっと会えなくなっちゃうわけじゃないものね。」
(フルア)「セミ達が命をつないでいく方法なのね。」
(スノー)「それじゃあ、今年のセミさん達に会える季節を思いっきり楽しもうよ!」
スノーが元気にふわっと浮き上がって言いました。
(フルア)「それはすてきね!」
フルアもふわっと浮き上がります。
ラブも真似して浮き上がろうとしましたが、なんだか頭が痛いような気がしてうまく浮き上がれません。
(セミ)「僕達は…幼虫でいる間はとても長いんだけど、成虫として外で過ごすのは10日くらいなんだ。」
それを聞いたラブ達は言いました。
(ラブ)「えっ、10日しかこうして外で会えないの?」
(フルア)「さみしいわね…。」
(スノー)「それはセミさん達もいやじゃないの?」
セミは言いました。