ミラリィの家では、ミラリィもちょうど怖かったけれど、ぬいぐるみを安心させるようにやわらかなソファのクッションの上に寝かせました。
ぬいぐるみは、うれしいときは喜びを分かち合ってくれて、悲しいときには寄り添ってくれます。
ミラリィはぬいぐるみ達が大好きなのです。
それを見ていたミラリィのお母さんが言いました。
(ミラリィの母)「ぬいぐるみ達もきっとミラリィが大好きよ。」
それを聞いたミラリィはにっこり笑って、ぬいぐるみを寝かせたソファのクッションの横に座りました。
(ミラリィ)「みんなでいれば、笑顔になれるわね。」
その頃、イオの家では、イオはミオとレオのそばを離れられずにいました。 (イオ)「怖い…早く止まないかなぁ…。」 ミオとレオは言いました。 (ミオ)「家の中にいれば大丈夫よ。」 (レオ)「みんなでいれば怖くないって。」 イオはにっこりうなずきました。 (イオ)「うん、大丈夫だね。」 ミオとレオも明るく笑います。
(ラブ)「きゃっ！」 (スノー)「すごい音…」 突然の大きな音にみんなびっくりです。 でも、ラブはすぐに明るい表情を見せました。 (ラブ)「いきなりピカッと光って、大きな音を出せるなんて、雷さんってマジシャンみたい！」 (ピピ)「確かに、空が光るのって面白いよな。」 (スノー)「大きな音も、なんだか魔法みたいだね。」 (フルア)「怖いものも、見方を変えれば、好きになれるわね。」 ラブの言葉に、みんなも笑顔になりました。
窓の雨粒を見ていたスノーが言いました。
(スノー)「雨は「雲の涙」ともいうんだよ。僕達が普段見上げている空にも、気持ちがあるのかな。」
窓の外に目をやったラブが言いました。
(ラブ)「きっとそうよ。」
そのとき、暗い空が突然ピカッと光りました。
日が差したようではないようです。
(ラブ)「えっ、何？」
驚く間もなく、次の瞬間、「バリバリッ！」と大きな鋭い音が響きました。
(ピピ)「スノー、フルア、大丈夫か？」
(フルア)「ええ、大丈夫よ。ピピ君、ありがとう。」
ラブは言いました。
(ラブ)「さっきまで青空が見えていたのに、どうしたのかしら？」
(スノー)「もしかしたら、夕立かな。」
(ラブ)「夕立？」
スノーは答えました。
(スノー)「夏の午後に降るにわか雨なんだ。雷も鳴ることがあるんだ。」
そう言い終わらないうちに、空はもっと暗くなって、雨が降ってきました。
(フルア)「すごい雨ね…。」
(ラブ)「みんなは大丈夫かしら…。」
スノーとフルアも空の上で、
(フルア)「セミさん達の鳴き声が聞こえなくなったわね…。」
(スノー)「急に冷たい風が吹いてきたから、天気が悪くなるかもしれない。」
そのとき、窓の外を見ていたラブとピピが空の上のスノーとフルアを見つけました。
(ラブ)「スノー君、フルアちゃん！」
ピピは窓を開けて、スノーとフルアに呼びかけました。
(ピピ)「スノー、フルア、俺の家に入って！」
スノーとフルアはその声に気づきました。
(スノー)「ピピ君！」
(フルア)「ラブちゃんも…」
スノーとフルアはピピの家に入りました。
ユヅルが洗い物を終えてお部屋のソファに座ると、ミールも隣に座りました。
すると、ユヅルは明るく笑って言いました。
(ユヅル)「ねえ、ミール、スイカを使ったスイーツ、どんなのにしようか？」
ミールも元気に答えます。
(ミール)「そうだなぁ、面白い飾り付けにしてみようよ。」
ミールとユヅルのアイディアはどんどん膨らみます。
ミラリィの家でも、お庭でぬいぐるみと遊んでいたミラリィに、お母さんが声をかけました。
(ミラリィの母)「ミラリィ、曇ってきたから、家に入って。」
(ミラリィ)「わかったわ。」
ミラリィはすぐに片付けをして、ぬいぐるみを抱いて、家に入りました。
カフェ・ド・アニマルでも洗い物をしていたユヅルが窓の外を見て言いました。
(ユヅル)「黒い雲が出てきたな…雷が鳴るかもしれない。」
窓の外を見たミールは少し怖くなってしまいました。
晴れていた空が急に暗くなってきました。
(ラブ)「あっ、空が曇ってきたわね…」
(ピピ)「さっきまで晴れてたのにな。」
イオの家でも、窓の外を見ていたイオのおばあちゃんが、
(イオの祖母)「雨が降りそうね。洗濯物を取り込まないと。」
(イオ)「僕もやるよ！」
(イオの祖母)「ありがとう、イオ。」
おばあちゃんとイオは急いで洗濯物を取り込みます。
(フルア)「美味しいものはみんなで食べるともっと美味しいのよね。みんなでスイカを食べるの、楽しみだわ。」
(スノー)「ラブちゃんはいつも元気で、僕達に元気をくれるんだ。早くラブちゃんが元気になって、みんなでスイカを食べたいな。」
ピピのお部屋で、ベッドに寝ていたラブが言いました。
(ラブ)「ピピ君、楽しそうね。」
ラブも明るい表情を見せます。
ところが…夕方…
