ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」187

ユヅルは自分も心と体を動かしたいと思って、公園の中を歩いていきます。
ユヅルはたくさんの人々、たくさんの遊具に目をやりました。
たくさんの遊具で、たくさんの子ども達が遊び、それをお父さんお母さん達が優しく見守っています。
子ども達の明るい笑顔は、みんなに元気をくれます。
その時、砂場で遊んでいたユヅルよりも小さな子ども達の1人が、ユヅルに気づきました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」186

子ども達とお父さんお母さんを見ていたユヅルは、少し不思議な気持ちになりました。
ここは、おとぎの国でも、魔法の世界でもない、「いつもの街のいつもの公園」です。
でも、ここを訪れるたびに、子ども達は1つ1つの遊びに対して、心と体を思いきり動かして、いろんな気持ちになったり、まだできないことに挑戦したり、冒険をしていました。
そんな子ども達を見守っているお父さんお母さんは、遊びに対して、とびきりの笑顔を見せたり、自分の知らないことに悩んだり、いろんな表情を見せ、生き生きとしている子ども達を、とてもあたたかく見守っていました。
「公園ってとってもすてきだなぁ。」
公園はどこにでもある施設だけれど、ユヅルは改めてそう思いました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」185

女の子は1つバーを握ったら、すぐに前のバーに手を伸ばして、前へ進みます。
(女の子)「虹の色は、赤、青、黄色で…」
女の子は小さな手にしっかりと力を入れます。
疲れなんて気になりませんでした。
すると、女の子はうんていの最後まで行くことができました。
(女の子)「やった!最後まで行けたわ!」
(お父さん)「よく頑張ったね。」
うんていの向こうにはふわふわな雲のように優しいお父さんの笑顔がありました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」184

(女の子)「わたしは…ふわふわした雲や、きれいな虹が好き!」
明るく話す女の子にお父さんは、
(お父さん)「それじゃあ、自分の好きなものと公園の遊具を合わせて、イメージの世界を作ってごらん。」
女の子は想像してみました。
うんていは、華やかな虹色に輝いていて、うんていの向こうには、ふわふわな優しい雲が待っている…そうイメージしました。
女の子はもう一度うんていのバーを掴みました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」183

うんていをしている女の子は、途中で疲れて、手を離して降りてしまいました。
(女の子)「最後まで行きたいのに、どうしても途中で疲れちゃうの…」
がっかりしている女の子に、お父さんは言いました。
(お父さん)「厳しく考えすぎないで、楽しんでみよう。」
(女の子)「楽しんで?」
(お父さん)「自分が何が好きか、考えてみたらどうかな?」
(女の子)「わたしの好きなものは…」
女の子は考えてみました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」182

(ユヅル)「これからどこに行こうかな。」
ユヅルはどこで何をしようかはまだ考えていませんでした。
考えていると、公園から見えてきました。
まだ老木ではなかったシンボルの大きな木が立っています。
閉鎖されてしまう前の、ロルトの公園です。
公園からは、子ども達が楽しそうに遊んでいて、それをお父さんやお母さん達が優しく見守っています。
(ユヅル)「僕も行ってみようかな。」
みんなの笑顔に誘われて、ユヅルも公園に行きました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」181

みんなで何をして遊ぼうか話している子ども達もいれば、お店に行った後、今日のご飯は何にしようかな、と考えている人もいて、みんなそれぞれの気持ち、考えを持って、街を彩っています。
上を見上げると、青い空に、動物や乗り物、いろんな形に見える雲が浮かんでいます。
色は青と白の2色だけだけれど、見ているだけで、心が和みます。
ずっと自分が暮らしている街なのに、まるで広い広い世界に出たようです。
(ユヅル)「おばあちゃんの言った通り、本当に気分がすっきりしてくるなぁ。」
ユヅルは自分の足で街を歩き、心を覆っていた霧を晴らしていきました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」180

外に出ると、お部屋の電気とは違う、お日様の光が街を照らします。
お部屋でじっと座っていた椅子も、向かっていた机もなく、自分の体を支えているのは自分の足だけです。
街には、いろいろな建物やお店があります。
ある建物はそこに住む家族に安らぎを与えるあたたかなお家であり、ある建物はたくさんの品物や人々のワクワクであふれているお店です。
それに、街にはたくさんの人がいます。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」179

(ユヅル)「ありがとう、おばあちゃん。外に行ってくるよ。」
おばあちゃんはにっこり笑いました。
(ミール・ユヅルの祖母)「楽しんできてね。」
疲れていたユヅルは、なんだか元気が出てきました。
(ユヅル)「父さんにも断りを入れておこう。」
ユヅルはお父さんのところに行って、
(ユヅル)「父さん、アイディアを探しに外に行ってもいいかな?」
(ミール・ユヅルの父)「もちろんだよ、ユヅル。」
玄関に行って靴を履くと、
(ユヅル)「行ってきます。」
(ミール・ユヅルの父・祖母)「行ってらっしゃい。」
ユヅルはドアを開けて外へ出ました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする

ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」178

(ミール・ユヅルの祖母)「ユヅル、外に行ってみたら?」
(ユヅル)「外に?」
(ミール・ユヅルの祖母)「ええ、悩んでいる時、考え続けるんじゃなくて、外に出て、いろんなものを見たり、聞いたりして、心と体を動かしてみると、気持ちがすっきりして、大切なものが見えてくるはずよ。」
おばあちゃんの言葉に、ユヅルは固まっていた心と体がやわらいできました。

カテゴリー: お話, 第19話(初版) | コメントする