ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」197

みんなはたくさんのカラフルな道具を見ながら、どれを手に取ろうか悩んでいます。
早く作り始めたいけれど、どうすればみんなの個性を活かして、砂の街を完成させられるかな、とみんなは思っていました。
つい考え込んでしまいますが、あまりに悩んでいると、夕方になって、帰る時間になってしまいます。
ユヅルは子ども達の様子を見てみました。
「お城を作りたい」、「お城の周りに街があったらいいな」と言っていた子は、建物の作れる型を見ると、公園の遊具に目をやって、形をよく見ているようです。
また、他の子は、公園にある花びらや葉っぱ、木の実などを気にしているようです。
子ども達のそれぞれの様子を見たユヅルは言いました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」196

しかし、みんなはまだ何もできていない平らな砂場と、バケツやスコップ、建物の形を作れる型など、カラフルなたくさんの砂場遊びの道具を見て、少し心がキュッと締まりました。
砂場の街は、みんなの想像力が生み出す夢の世界です。
でも、たくさんアイデアを出したところで、それらは全て自分達の手で作らなければなりません。
アイデアの分、みんなの個性はそれぞれ。
形を作るのが得意な子もいれば、細かいところまで気を配るのが得意な子もいるし、綺麗に飾り付けをすることが得意な子もいます。
1つのものをみんなで作ろうとしても、全てがスムーズを進めることは難しいものです。
「遊び」だからといって、適当にはしません。
集中とみんなの頑張りを通して、1つ成長する時間です。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」195

子ども達はユヅルが来ると、満面の笑みを見せます。
「ユヅルお兄ちゃん、来てくれてありがとう!」
「一緒に遊ぼうよ!」
ユヅルはにっこり答えました。
(ユヅル)「ああ、もちろん!みんなで何を作ろうか?」
みんなはいろいろと考えます。
「お城を作ってみようよ!」
「お城の周りに街もあったらいいなぁ。」
「お城や街にはかわいい動物達がいたらすてきね。」
「お料理やお菓子もあったら楽しそうだな。」
みんなのアイデアはどんどん膨らみます。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」194

ユヅルも、子ども達とカフェ・ド・アニマルで過ごした時のことを、はっきりと覚えています。
子ども達の楽しそうな笑顔は、ユヅルをとても幸せな気持ちにしてくれました。
(ユヅル)「みんな…」
ユヅルは、子ども達がまた呼びかけてくれて、胸がいっぱいになりました。
(ユヅル)「今行くよ!」
ユヅルは元気に、子ども達のいる砂場へ行きました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」193

その明るい声は、ユヅルの心に優しい光を灯しました。
聞き覚えのある声に、ユヅルははっと振り返りました。
(ユヅル)「あの声は…」
声のする方を見ると、砂場で子ども達がユヅルに手を振っています。
「ユヅルお兄ちゃん!」
それを見たユヅルの表情が明るくなっていきます。
(ユヅル)「あの子達は、この前カフェ・ド・アニマルに来てくれた…」

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」192

ユヅルお兄ちゃんとカフェ・ド・アニマルで過ごした日のことは、子ども達の心に、大切な思い出として残っていました。
そして、自分達に優しくしてくれたユヅルのことを、子ども達は好いていました。
「ユヅルお兄ちゃんも公園に来てたんだね。」
「ユヅルお兄ちゃん、1人なのかな?」
「話しかけてみようよ。」
子ども達はユヅルに元気に呼びかけました。
「ユヅルお兄ちゃーん!」

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」191

「カフェ・ド・アニマルのお料理やお菓子には、そんなひみつがあったんだね。」
「ユヅルお兄ちゃんのお料理やお菓子は見ているだけでも楽しいな。」
お料理やお菓子を食べた子ども達は明るい笑顔になりました。
「ユヅルお兄ちゃんの作ったお料理、お菓子、どれもとってもおいしいよ!」
「カフェ・ド・アニマルのお料理、お菓子はユヅルお兄ちゃん達の「動物とみんなが楽しく過ごせるように」って気持ちがこもっているから、あったかい味なんだね。」
ユヅルはとても幸せな気持ちになりました。
子ども達がお店を出る時、ユヅルはお日様のような笑顔で子ども達に言いました。
(ユヅル)「今日はカフェ・ド・アニマルに来てくれてありがとう。お話してくれてとってもうれしかったよ。」
子ども達も顔を輝かせました。
「カフェ・ド・アニマルでユヅルお兄ちゃんと過ごせてよかったよ!」

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」190

(ユヅル)「僕は、お料理やお菓子を通して、動物とみんなが楽しく過ごせるようになったらいいなって思っているんだ。」
「動物とわたし達が楽しく?」
(ユヅル)「そう。動物は数え切れないくらいたくさんの種類がある。みんな、暮らしている場所も、持っている能力も違う。でも、みんな「命」を持って、毎日を精いっぱい生きてるってことは同じなんだ。」
子ども達はユヅルのお話に聞き入っています。
(ユヅル)「それに、どんな生き物も、生きていくためには何か食べなければならない。「食べることは、命の源で、全ての命を繋いでいる」って考えて、動物の特徴を捉えて、お料理やお菓子を作っているんだ。」
それを聞いた子ども達は瞳を輝かせました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」189

「そうか、ユヅルお兄ちゃんっていうんだね。」
子ども達が名前を呼んでくれて、ユヅルはうれしくなりました。
子ども達はきれいなお皿に乗っているかわいらしい動物のお料理やお菓子に目を輝かせます。
パンダの形のおにぎりや、くまちゃんのケーキもあります。
1人の子がユヅルに言いました。
「ユヅルお兄ちゃんは、どうしてこんなにかわいいお料理やお菓子を作れるの?」
ユヅルはにっこり笑って言いました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」188

「あれ?あのお兄ちゃん…」
他の子が言いました。
「どうしたの?」
「あのお兄ちゃん、カフェ・ド・アニマルの…」
この子ども達は、以前カフェ・ド・アニマルに来たことがある子ども達でした。
子ども達がみんなでカフェ・ド・アニマルに行った時、ユヅルがテーブルにお料理やお菓子を運んで行くと、1人の子がユヅルに言いました。
「お兄ちゃん、お名前はなんていうの?」
ユヅルはかがんで、子ども達の目の高さに合わせます。
(ユヅル)「僕はユヅルっていうんだ。」

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