そこには、小さな小さな見たことのない生き物がいたのです。
その生き物は、真っ白な毛に、ピンクのハート柄のベビードレスを着て、ピンクのハートの髪飾りをつけて、キラキラと輝くハートの飾りのついたヒールの靴を履いていました。
ラクトたちは吸い込まれるようにのぞきこみました。
すると、小さな小さな不思議な生き物ははゆっくりと目をひらきました。
ラクトたちが目を見張っていると、小さな小さな生きものははゆっくりと起き上がりました。
それから辺りを見回し、すき通ったきれいな声でいいました。
(女の子)「ここはどこ……あなたたちはだれ……?」
4人は声も出ないほどおどろきました。
すると小さな小さな生きものは何かに気付いたようにはっとすると、笑い声をあげながらうれしそうに森を飛び回りました。
(女の子)「みたことのないせかい…とってもきれい・・・・・・!」
そして、とびきり愛らしいえがおで、
(女の子)「だれかさんたち、はじめまして!わたしのなまえはココ!エゾモモンガのおんなのこなの!」
ラクト達はとてもおどろきましたが、ココがとても明るく話しかけてきたので、すぐに自己紹介をしました。
(ミラリィ)「わたし、ミラリィ。よろしくね。」
(リンゲル)「ぼくはリンゲル。きみはココちゃんっていうんだね。」
(アキラ)「おれはアキラ。なかよくしてくれよな。」
(ラクト)「ぼくはラクト。ココちゃんってすてきな名前だね。」
(ココ)「うふふ、ありがとう!」
(アキラ)「なあリンゲル、エゾモモンガってどんな動物なんだ?」
(リンゲル)「う〜ん、僕にも分からないなあ…。」
(アキラ)「えっ、リンゲルにも分からないのか!?」
ラクト達はエゾモモンガという動物がなんという動物なのかは分かりませんでした。ナセキ島にはエゾモモンガはいないのです。
ミラリィがいいました。
(ミラリィ)「ねえ、さっきどうやって飛んだの?つばさがないけど……。」
すると、ココは、腕の下にあるまくを指さして、言いました。
(ココ)「ココにまくがあるでしょ?これはひまく。これをひろげるだけでそらがとべるの。」
(ミラリィ)「へえ〜。やっぱり自分がエゾモモンガだから、モモンガのことにはくわしいんだね。」
(ココ)「え?くわしい?くわしいってなあに?」
(ラクト・ミラリィ・リンゲル・アキラ)「えっ?」
4人はびっくり。だってココは「くわしい」ということばを知らないのです。
(ミラリィ)「くわしいって何って……そんなことだれでも知ってるじゃない?」
(ココ)「わたし、しらない。」
(ラクト)「くわしいっていうのはね、そのことについてよくしってるってことだよ。」
(ココ)「へえー、くわしいっていうのは、『そのことについてよくしってる』ってことかぁ。
おしえてくれてありがとう。」
(ラクト)「ところでココちゃんって、どこにすんでるの?」
(ココ)「すんでるところ?……ないの。」
(ラクト・ミラリィ・エリア・アキラ)「えっ!?」
(アキラ)「家ないってことか……。」
(ミラリィ)「ココちゃん、かわいそう……。」
ラクトはちょっと考えてから、いいました。
(ラクト)「ねえじゃあ、ぼくたち、ココちゃんといっしょにくらさない?」
(ミラリィ)「それいいじゃん!いっしょにくらせるなんて夢みたい!」
(エリア)「ココちゃんのことやエゾモモンガのこともいっぱい知れそうだしね!」
(アキラ)「それにココ、おまえの知らないこの世界には、たのしいことや
おもしろいことがいっぱいあるんだぜ!」
(ココ)「へえ、すてき!ラクトくんとミラリィちゃんとエリアさんと
アキラさんといっしょにくらせるなんて、すっごくうれしい!」
ココはおおよろこびです。
(アキラ)「じゃあ、おれたちがココちゃんにナセキ島をを案内してあげようぜ!」
(ラクト)「じゃあぼくたちは、案内人っていうことだね!」
(ミラリィ)「わあ、案内人ってステキ!」
(リンゲル)「ふふ、案内人ってすごく楽しそうだね!」
(ラクト)「ココちゃんがいるおかげで、毎日がもっと楽しくなりそう!」
(ココ)「ありがとう!わたし、すっごくすっごくうれしい!」
(ラクト)「ココちゃんといっしょの新しい生活の始まりだね!」
(ミラリィ)「ところで、どうやってナセキ島へもどるの?」
(ラクト・ミラリィ・エリア・アキラ)「あ……。」
(ラクト・ミラリィ・エリア・アキラ)「どうするの、これ〜!?」
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