家から出てきた人は、ラブ達に目を止めました。
「えっ、ラブちゃん、ミラリィ…」
その人は、ラブとミラリィの方に歩いてきました。
ラブの大きな目は、暗いところでもよく見えます。
(ラブ)「あっ、イオ君!」
ラブとミラリィのそばに来たのは、イオでした。
イオも着替えていて、外に出る準備をしたようです。
(ミラリィ)「イオ、どうしたの?」
イオは言いました。
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家から出てきた人は、ラブ達に目を止めました。
「えっ、ラブちゃん、ミラリィ…」
その人は、ラブとミラリィの方に歩いてきました。
ラブの大きな目は、暗いところでもよく見えます。
(ラブ)「あっ、イオ君!」
ラブとミラリィのそばに来たのは、イオでした。
イオも着替えていて、外に出る準備をしたようです。
(ミラリィ)「イオ、どうしたの?」
イオは言いました。
(ラブ)「行きましょう!」
(ミラリィ)「ええ!」
ラブとミラリィは迷わずに光の道を辿っていきます。
光の道が、ラブとミラリィを「こっちへ来て」と呼んでいるように感じたのです。
ラブとミラリィが進んでいくと、道中に建っている一軒の家の扉が開き、誰かが出てきました。
(ラブ)「えっ、どうしたのかしら?」
夜の街に出たミラリィは、ゆっくりと足を動かします。
ラブも、ふわふわと宙を舞いながら夜の街を見渡します。
すると、ラブはあるものに目を止めました。
(ラブ)「ミラリィちゃん、見て!」
(ミラリィ)「えっ、あれは…」
さっき窓から見えた白い光が、光の道となって、どこかへと続いています。
(ミラリィ)「パパ、ママ、誰かが呼んでいるみたいなの。ちょっと行ってくるわね。」
(ラブ)「行ってきます。」
そして、2人は目を合わせて、言いました。
(ミラリィ)「夜、外に出るのも、ラブちゃんがそばにいてくれれば、大丈夫よ。」
(ラブ)「わたしもよ、ミラリィちゃん。」
ミラリィとラブは家の外へ出ました。
ラブとミラリィは、ベッドを出て、クローゼットを開けて、着替えて外に行く準備をしました。
不思議な光は、ラブとミラリィを呼ぶように、見ている者の心と体を引くのです。
着替えた2人は、そっとミラリィのお部屋のドアを開け、玄関に向かいました。
ミラリィのお父さんとお母さんは、眠っています。
ミラリィとラブは小さな声で言いました。
(ラブ)「これは・・・・・」
(ミラリィ)「…ラブちゃん、どうしたの?…えっ!?」
ミラリィも目を覚まし、とても驚きました。
窓の外に、ラブの夢の中に出てきたぼんやりとした白い光が見えます。
星の光や、月明かりではありません。
しばらく光を見つめていたラブとミラリィは、胸がきゅうっとなりました。
光は美しいものでしたが、なんだかさみしそうに、静かにお部屋を照らしています。
ラブはミラリィにぎゅっと抱きつきました。
ミラリィはラブを優しく抱きしめました。
その後、ミラリィと一緒に入ったラブは、すやすやと眠りました。
ミラリィもラブのかわいい寝顔を見ながら、眠りにつきました。
ラブは今夜もおばけさんと街を飛び回る夢を見ていました。
(ラブ)「おばけさんとの夜の冒険、とっても楽しいわ。」
でも、突然、ぼんやりとした光が辺りを包みました。
おばけさんは明るいところはちょっと苦手です。
(ラブ)「…まぶしい…」
ラブは目を覚ましました。
お部屋の中を見回したラブは大きな瞳をもっと大きくしました。
ピピの明るい笑顔がすてきだったな、とか、ミールが心を込めて作ってくれたお菓子が美味しかったな、とか…。
みんなと過ごした時間を思い出すと、胸がぽかぽかします。
(ミラリィ)「ラブちゃんが公園さんの気持ちを考えて、近くにいなくても、公園さんのことを想える。」
ミラリィは手でラブの涙を優しく拭いました。
(ミラリィ)「それに、誰かのことを想って涙が出るのって、すてきな心だと思うわよ。」
(ラブ)「ミラリィちゃん…」
(ミラリィ)「公園さんは、少し気持ちが楽になったと思うわよ。」
(ラブ)「えっ?」
不思議そうにするラブに、ミラリィは優しく言います。
(ラブ)「ラブちゃんが心に寄り添ってくれているんだもの。」
(ラブ)「心に寄り添う?」
(ミラリィ)「そう。ラブちゃん、今みたいに、わたし達は違う場所にいても、お互いのことを想い合っているでしょう?」
ラブ達は、1日みんなでたくさん遊び、日が暮れ、それぞれの家に帰った後も、お互いのことを想いあっています。
(ラブ)「昨日のテレビで見たんだけど、おばけさんは、みんなと遊びたいなっと思うときもあるみたいなの。」
おばけさんはいたずらをしたり、みんなを驚かせたりすることもあるけれど、人々と一緒に遊びたいと思うこともあります。
そして、人に忘れられたものが「おばけ」となってしまうことがあることも描かれていました。
(ラブ)「あの公園も、誰も遊びに来なくなって、みんなに怖がられちゃって、さみしい思いをしているのかしら…」
ラブの大きなピンクの瞳から大粒の涙が一雫、こぼれ落ちました。
ミラリィはラブを優しく抱き寄せました。