ユヅルは元気に砂の街を飾る子ども達を見て、バケツの中の花びらに目をやりました。
花びらは小さく薄いもの。
ぎゅっと強く掴んだら、すぐに壊れてしまいそうです。
ユヅルは力を入れずに花びらを手に取ります。
花びらは優しいピンク色にさわやかな虹色、元気な黄色、色とりどりの花びらはみんなの目を楽しませてくれます。
ユヅルはカラフルな花びらとそれぞれの個性を活かして楽しく砂の街を飾る子ども達をかわりばんこに見て、思いました。
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ユヅルは元気に砂の街を飾る子ども達を見て、バケツの中の花びらに目をやりました。
花びらは小さく薄いもの。
ぎゅっと強く掴んだら、すぐに壊れてしまいそうです。
ユヅルは力を入れずに花びらを手に取ります。
花びらは優しいピンク色にさわやかな虹色、元気な黄色、色とりどりの花びらはみんなの目を楽しませてくれます。
ユヅルはカラフルな花びらとそれぞれの個性を活かして楽しく砂の街を飾る子ども達をかわりばんこに見て、思いました。
木の実は小さくても、精いっぱい木に実っています。
みんな「つやつやしてきれいな木の実になりたい」と想いを持っています。
そして、みんな自分達のお家である木を大切にしています。
風や木の実がさわさわ揺れるときは、まるで木に話しかけているみたい。
「みんなの夢がつまった砂の街をすてきにしたい」と想いを持って、どの建物にはどの飾りが合うか考えて、頑張って飾り付けをしているみんなとそっくりです。
「僕達、木の実と一緒かもしれないな。」
その子は木の実を手にとりました。
「木は木の実みんなのお家…砂のお家に飾ろうかな。」
その子は丁寧に砂のお家に木の実を飾っていきます。
その子はみんなに大切なことを教えてくれたユヅルお兄ちゃんと、楽しく砂の街の飾り付けをしているみんなを見て、考えました。
「みんなは楽しく夢のつまった砂の街をカラフルにしてる。同じものを大事にして、夢を広げてる…。」
その子は木の実を集めた木を見てみました。
大きな木には、たくさんの木の実が実っています。
木の実は小さいながらもはっきりした色で、つやつやしていて、心を持っているようです。
その子は木の実がみんなと似ているように思えました。
「お城は花びらできれいにしましょう!」
「お家には木の実を飾ってみようかな。お家に住んでる妖精さん達は、木の実を集めているかも!」
「お城やお家の屋根は葉っぱをつけてかっこよくしようよ!」
子ども達は次々とアイデアを出して、楽しそうに飾り付けを始めました。
その子はユヅルに言いました。
「ユヅルお兄ちゃんもやろう!」
ユヅルはうなずきます。
「もちろんだよ!」
ユヅルとその子はバケツから飾りを手に取ります。
「みんな、大事なのは上手にできるかじゃないよ。」
「えっ、きれいな方がいいんじゃないの?」
「上手にできないと…」
その子は元気に、
「ユヅルお兄ちゃんが教えてくれたんだ。上手にできる、できないじゃなくて、みんなの笑顔を大事に、楽しく作るのが1番だって。」
「みんなの笑顔を大事に…」
「砂の街はどんな感じに彩られているか、みんなで想像してみよう。」
「砂の街、カラフルですてきに飾りたいな。」
みんなの夢が膨らみます。
砂の街は、本当に住む街でなくても、みんなの夢がつまったもの。
大きなお城やたくさんのお家をきれいに飾りたいとみんなは思っています。
飾りも、たくさんの色や形があって、どこに何を飾ろうか、悩んでしまいます。
「どんな風に飾るのが1番かな?」
「上手に飾れるかな?」
みんなは頑張って上手に作ろうとして、少し緊張しています。
それを見たその子は、他の子どもたちに明るく言いました。
ユヅルは、その子のバケツに目をやりました。
バケツの中は葉っぱや花びら、木の実といった、たくさんのかわいい飾りで彩られています。
(ユヅル)「次は砂の街の飾り付けをしよう。」
子ども達はカラフルな飾りにはしゃいでいます。
「飾り付け、楽しみにしてたんだ!」
「どこにどんな飾りをつけようかな?」
子ども達はそれぞれ好きな飾りを手に取って、砂の街を見てみましたが、いざ飾りを手にすると、少し難しい顔をしました。
(ユヅル)「一緒に模様を書くと、いろんなアイデアがあって面白い。みんなで楽しくかけて、すごくうれしいよ。」
その子がユヅルの近くに来て、言いました。
「ユヅルお兄ちゃん、上手にできることじゃなくて、みんなの笑顔を大事に、楽しく作るっていう大事なこと、教えてくれてありがとう。」
(ユヅル)「僕はみんなの笑顔が大好きだよ。」
ユヅルは優しく笑って答えました。
砂のお家には、かっこいいしま模様や、かわいらしい水玉模様もあります。
いろんな模様は、子ども達のアイデアです。
「花柄のお城、すごくおしゃれだわ。」
「お家もいろんな模様があって、楽しいね。」
子ども達はニコニコしながら言いました。
そんな子ども達を見てユヅルは、
「2人とも頑張ってるね。」
「みんなの元気のパワーで砂の街をすてきにしましょう!」
1人の頑張りで、みんなもワクワクするのでした。
やがて、砂のお城、お家の模様が完成しました。
かわいいお花や花びらの模様がいっぱいです。
チューリップの模様や、バラの模様もあります。
繊細な花びらの模様は、砂に描かれていても、見入ってしまいます。