ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」140

(イオ)「あっ、見て」
かわいい小鳥が飛んできて、木の枝にとまりました。
小鳥は木の枝に挟まっているイオの靴を不思議そうに見ています。
イオ達も小鳥から目が離せません。
自分達の暮らしにはない「靴」を小鳥は小さなくちばしでつついています。
小鳥がどんなことを考えているのか、イオ達は想像を膨らませます。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」139

(レオ)「木に登ってとれないかな?」
幹に手をかけようとするレオをミオは止めました。
(ミオ)「この木は枝が折れやすいから登るのは危ないわ。」
靴をつついて落とせるような木の枝も地面に落ちていません。
みんなが頭を悩ませていると、空から小さな誰かがやってきました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」138

「あっ!」
みんなが目を丸くしました。
イオの靴はポーンと高く上がって、柵を越えて、高く飛んで行き、木の枝に挟まりました。
「わぁ、木の上まで…」
「えだに挟まっちゃったけど、とれるかな?」
イオはブランコを降りて、木の方に行きました。
イオの靴が引っかかっている枝は、手を伸ばしても届きません。
(イオ)「どうしようかな…?」
ミオとレオもやって来ました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」137

(ミオ)「はい、レオ。」
レオは靴を受け取って、履きました。
(レオ)「ありがとう、姉ちゃん。」
(ミオ)「レオ、ここまで飛ばせるなんて、すごいわね。」
(レオ)「俺もちょっとびっくりしたよ。」
それを見ていたイオは、
(イオ)「お兄ちゃん、すごいなあ。僕にもできるかな?」
イオも靴を緩めてブランコに乗り、力を込めてブランコを漕ぎます。
(イオ)「えいっ!」
イオは靴を飛ばしました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」136

レオの靴はブランコの周りの柵を越えて、砂場の方まで飛んで行きました。
(レオ)「うわぁ、砂場まで?」
レオ自身もちょっと驚きました。
みんなは明るく言いました。
「すごいよ、レオ!」
「遠くまで飛んだね!」
ミオはみんなが見ている前で靴飛ばしをするのがちょっと恥ずかしかったので、みんなが遊んでいるのを見ていましたが、レオの靴を取りに砂場に行きました。
レオも靴を取りに砂場の方へ来ました。
ミオはレオの靴を拾って丁寧に砂をはらうと、レオに渡しました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」135

次の日、公園にはたくさんの子ども達が集まりました。
「よーし、みんなで靴飛ばしだね!」
「僕も遠くまで飛ばすよ!」
みんなは楽しそうにブランコに乗ります。
(レオ)「それっ!」
レオはブランコを勢いよく漕いで、靴を飛ばしました。
「わあっ!」
見ていたみんなが思わず声を上げました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」134

(レオ)「ねえ、明日みんなであの公園に行かないか?靴飛ばし大会をするんだ。」
ミオは明るく答えます。
(ミオ)「楽しそうね。行ってみましょう。」
イオもにっこり笑って言いました。
(イオ)「すごく楽しみだよ。」
その夜、ミオはレオとイオの笑顔を心に留めて、眠りました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」133

(イオ)「お姉ちゃん、なんだか楽しそうだね。」
イオに言われて、ミオは考えました。
やってみたかった遊びをやって、その遊びの面白さを深く感じることができると、自分の幅が広がります。
ミオは自然と笑顔になっていました。
(ミオ)「ええ、楽しかったわ。」
レオが元気よく言いました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」132

ミオが家に帰ると、レオとイオが声を揃えて「お帰りなさい」と言いました。
ミオは明るく「ただいま」と返し、手洗い、うがいをしようと洗面所に入ると、片方の靴下が汚れていることに気づきました。
イオとレオは気づいていませんでした。
靴を飛ばした後探す時、片足は靴を履かないまま歩いたので、汚れてしまったようです。
ミオは靴を飛ばす遊びをしたことを知られるのがちょっと恥ずかしくて、急いで汚れた靴下を洗濯機に入れて、新しい靴下に履き替えました。
ミオが手洗い、うがいをしてからリビングに行くと、イオが言いました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」131

(ミオ)「あら?」
ミオがバラとバラの間を覗き込むと、そこにはミオの靴が落ちていました。
(ミオ)「あったわ!」
ミオは花壇の中から靴を取り出して、履きました。
辺りを見回すと、もう日が暮れてきています。
(ミオ)「そろそろ帰らないとね。」
ミオは家に向かいました。

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