心をほっこりさせるお話作り – BLピンクが出版するまでの物語 –

男の子の顔が明るくなっていきます。
(男の子)「ありがとう。僕こそ、言いすぎてごめんなさい。みんなでミニチュアのお家を作ろう！」
男の子の抱いているくまのぬいぐるみも、笑っているようです。
それを見たミラリィのお父さんとお母さんも、優しい笑顔を見せました。
男の子と女の子はミラリィのお父さんとお母さんに言いました。

少し恥ずかしいという気持ちもありましたが、明るい表情の女の子とミラリィのお父さんを見ていると、男の子は思わず、口から素直な気持ちがこぼれました。
(男の子)「僕も…ぬいぐるみと遊んでみたいな。」
それを聞いた女の子は、にっこりと笑って言いました。
(女の子)「それなら、みんなでぬいぐるみと遊びましょう。それと、あなたが大切に作っていたミニチュアのお家を壊してしまってごめんなさい。わたしも一緒に作り直してもいい？」
女の子の腕の中のうさぎのぬいぐるみも、優しい顔をしています。

(女の子)「もしかして、スタッフトゥトイランドの…」
女の子は、よくスタッフトゥトイランドのぬいぐるみと遊んでいました。
(ミラリィの父)「そうだよ。」
(女の子)「わたし、スタッフトゥトイランドのぬいぐるみとよく遊んでるの。」
(ミラリィの父)「それはうれしいな。ありがとう。」
女の子とミラリィのお父さんの楽しそうなお話を聞いていた男の子は、自分もスタッフトゥトイランドのぬいぐるみと遊んでみたいと思いました。

(ミラリィの父)「みんなでもう一度、小枝でミニチュアのお家を作ってみない？」
(ミラリィ)「この子達と一緒に。」
ミラリィのお父さんとお母さんは、男の子にくまのぬいぐるみを、女の子にうさぎのぬいぐるみを差し出しました。
男の子と女の子はぬいぐるみを受け取って、
(女の子)「わぁ、可愛いぬいぐるみ！」
(男の子)「手作りなんですか？」
ミラリィのお母さんはにっこりとうなずきました。
(ミラリィの母)「ええ、そうよ。」
その時、女の子ははっとして言いました。

(男の子)「小枝で作ったミニチュアのお家を作ってたんだ…」
男の子は地面に置いてある、壊れてしまった小枝のお家を拾い上げました。
女の子は小さな声で言いました。
(女の子)「わたしがそれを間違って踏んじゃって…」
男の子は目に小さな涙を浮かべています。
女の子は表情を固くしています。
それを見たミラリィのお父さんとお母さんは、お互いの顔を合わせると、男の子と女の子に言いました。

でも、楽しそうな声ではありません。
「君が注意してないからだよ！」
「あなただって地面に置いておいたじゃない！」
ミラリィのお父さんとお母さんが声のする方に行ってみると、そこでは男の子と女の子が言い合いをしていました。
(ミラリィの母)「どうしたの？」
ミラリィのお母さんが優しく声をかけると､男の子と女の子は顔をあげました。

ミラリィは家に帰って、お父さんとお母さんにロルトの公園での思い出を聞いてみました。
(ミラリィの母)「あの公園は、わたしとお父さんが結婚した頃からあるのよ。
(ミラリィの父)「大切な思い出があるんだ。」
お父さんとお母さんはミラリィにこんなお話をしてくれました。
ミラリィのお父さんとお母さんが結婚してまもない頃、ミラリィがまだ生まれる前、ロルトの公園にお散歩に行きました。
木の実やお花など、ぬいぐるみの飾りに使えるものはないかな、と思って、ぬいぐるみも一緒でした。
公園を歩いていると、子ども達の声が聞こえました。

(レオ)「あの公園が開いたら、みんなでまた靴飛ばしをやってみたいわ。」
(ミオ)「中をゆっくり歩いて、公園で楽しかったことを思い出してみるのもいいわね。」
(イオ)「おじいちゃん、おばあちゃん、お姉ちゃん、お兄ちゃんと出かけるの、大好きだよ。」
イオは大切な思い出は、みんなの心を繋いでいると知って、とても胸があたたかくなりました。

イオ、ミオ、レオ達のきらめく瞳と笑顔は、子どもの頃の自分達と繋がっていたからです。
(イオ・ミオ・レオの祖父)「またみんなであの公園に行きたいね。」
(イオ・ミオ・レオの祖母)「老木が倒れて閉められてしまったけど、あの老木は公園のシンボルで、大好きだわ。」
それを聞いた子ども達はワクワクしてきました。

それを聞いた子ども達の目がきらめきます。
(ミオ)「おじいちゃん、おばあちゃんにも、大切な思い出があるのね。」
(レオ)「思い出って、ずっと笑っているんだな。」
(イオ)「おじいちゃん、おばあちゃんも一緒にまたあの公園に行きたいなぁ…」
それを聞いたおじいちゃん、おばあちゃんの心に、あたたかい光がともりました。