それは、ラブが熱中症で倒れてしまった日に会った、セミです。
(セミ)「あっ、あの声は…?」
セミはおうちの方に飛んできました。
おうちの中から窓の外に目をやったフルアが言いました。
(フルア)「誰か来るわよ。」
(スノー)「誰かな?」
スノーとフルアは窓から空へ飛び立ってみました。
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それは、ラブが熱中症で倒れてしまった日に会った、セミです。
(セミ)「あっ、あの声は…?」
セミはおうちの方に飛んできました。
おうちの中から窓の外に目をやったフルアが言いました。
(フルア)「誰か来るわよ。」
(スノー)「誰かな?」
スノーとフルアは窓から空へ飛び立ってみました。
(ラブ)「楽しいことは、大人も子どもも、みんなでやれば、何倍でも楽しくなるわね!」
みんなもうなずきます。
(ピピ)「楽しいことは、探し始めたら数えきれないからな。」
(ミラリィ)「それに、楽しいことはわたし達で作ることもできるわね。」
(イオ)「それに、ラブちゃんの言葉を聞いて、いろんな「元気」があるってわかったよ。」
(ミール)「体の元気も、心の元気も、大切だね。」
みんなの笑顔が輝きます。
そのとき、おうちの外でラブ達の声を誰かが耳にしていました。
農家さんもスイカを食べて、
(農家)「みんなでスイカを育てて、それをみんなの食べるのは、本当に楽しいね。それにみんなに、楽しいことを、子どもだけのもの、大人だけのものにしないことを教えられたよ。」
ラブは首をかしげます。
(ラブ)「大人が子どもに何か教わることもあるの?」
農家さんはうなずきます。
(農家)「そう、珍しいことではないんだよ。」
ラブは言いました。
スイカはシャッキリとみずみずしくて、口に甘さが広がります。
(ラブ)「すごくおいしいわ!」
(ピピ)「スイカがあってこそ、夏本番だって思うな。」
(イオ)「みんなで割ったスイカ、1人で食べるよりもずっとおいしいね。」
みんなの笑顔があふれます。
農家さんも子どもたちの明るい笑顔を見るのをとてもうれしく思いました。
(農家)「さあ、みんなでスイカを食べよう。」
みんなはおうちの中に入りました。
農家さんはスイカを食べやすいように切って、みんなに配ってくれました。
(フルア)「ありがとうございます!」
(ミラリィ)「とってもおいしそうね。」
みんなはスイカを食べてみました。
(農家)「ありがとう、みんな。」
農家さんはラブから目隠しと棒を受け取って、目隠しをすると、棒を持ちます。
(フルア)「もう少し右ですよ!」
(ミール)「もうちょっと進んで見て下さい!」
農家さんはみんなの声を耳を傾け、足を進めます。
(イオ)「あっ、そこです!」
農家さんはスイカを叩きました。
それは、農家さんです。
(農家)「えっ、私もかい?」
みんなは笑顔で言います。
(ミラリィ)「もちろんですよ!」
(ピピ)「子どもだけのものだなんて、決まってないんだから!」
(ラブ)「みんなで楽しむのが、1番すてきだもの!」
農家さんもにっこり笑いました。
ラブはドキドキしながら目隠しを取ってみました。
(ラブ)「どうかしら…?」
小さなラブの力では、小さな割れ目が入った程度です。
まだ割れそうにはありません。
(ラブ)「割れなかったわね…」
(スノー)「大丈夫、みんなでやれば割れるよ!」
(ミラリィ)「せっかくやるなら、楽しみましょう!」
みんなはにっこり笑います。
イオ、ミラリィ、ミール、ピピ、スノー、フルアは順番にスイカを叩いていきます。
だんだんスイカに割れ目が入ってきました。
そして、ラブ達7人が叩き終わると、ラブは目隠しと棒を持って、ある人に差し出しました。
(イオ)「ラブちゃん、もうちょっと進んでみて。」
ラブはもう少し前に進みます。
いつも大きな瞳の高い視力で辺りを見ているラブは、目を隠されると、違う世界にいるみたいです。
(ミール)「よし、そこで叩いてみて!」
でも、みんなの声が聞こえれば、不安なんて吹き飛んでしまいます。
ラブは棒をぎゅっと握って、スイカを叩きます。
(ラブ)「えいっ!」
(ラブ)「わぁ、楽しそうね!」
(ピピ)「スイカ割りも、夏の楽しみだよな!」
子どもたちの笑顔に農家さんも優しく笑います。
スイカは、みんなで交代で叩きます。
最初はラブの番です。
ラブは目元にタオルを巻きます。
(ラブ)「ドキドキするわ…」
ラブは棒を持って、少しずつ足を進めます。