(ユヅル)「ありがとう、みんな、早速作ろう!」
「飾りはまだいっぱいあるよ!」
みんなは楽しそうに作業を始めました。
ユヅルは土を楕円形に固めて、葉っぱを二枚乗せました。
「これは何の動物かな?」
子ども達は興味しんしんに覗き込みます。
(ユヅル)「これにもかわいい木の実がぴったりだな。」
ユヅルはバケツから木の実を2つ取り出して、固めた砂に飾りました。
どんな動物ができるでしょうか?
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(ユヅル)「ありがとう、みんな、早速作ろう!」
「飾りはまだいっぱいあるよ!」
みんなは楽しそうに作業を始めました。
ユヅルは土を楕円形に固めて、葉っぱを二枚乗せました。
「これは何の動物かな?」
子ども達は興味しんしんに覗き込みます。
(ユヅル)「これにもかわいい木の実がぴったりだな。」
ユヅルはバケツから木の実を2つ取り出して、固めた砂に飾りました。
どんな動物ができるでしょうか?
「ユヅルお兄ちゃん、こんなのはどうかな?」
(ユヅル)「何だい?」
「この砂の街に住む、動物さん達を作ろうよ!」
(ユヅル)「動物さん達?」
ユヅルの瞳がキラキラ輝きます。
「うん、動物さん達がいれば、砂の街がもっと賑やかになるよ!」
「ユヅルお兄ちゃんはいつも、可愛くて美味しい動物さんのお料理やお菓子を作ってくれるしね。」
ユヅルはとてもうれしそうです。
子ども達はユヅルお兄ちゃんと砂の街を作れたことをとても楽しく思っています。
ユヅルお兄ちゃんが描いてくれた、砂のお城やお家の模様はとてもすてきです。
それに、自分達にとても大切なことを教えてくれました。
「上手にできる、できないではなくて、みんなの笑顔を大切に、楽しく作ること」。
子ども達は、ユヅルお兄ちゃんの特技を考えます。
ユヅルお兄ちゃんは器用で、いつもみんなに美味しいお料理やお菓子を作ってくれます。
カフェ・ド・アニマルのメニューはどれも動物を模しています。
みんなと動物が仲良くなれるように…。
子ども達はとてもすてきなアイデアが浮かびました。
やがて、葉っぱの飾り付けができました。
「これで砂の街がもっとおしゃれになったね!」
「本当にこの街を歩けたらいいのに。」
砂の街の道は、いろんな模様でいっぱい。
みんなは葉っぱで道を石畳のように飾ったのです。
これで砂の街の飾り付けは全て完成しましたが、何か足りない感じがします。
「飾り付けはいっぱいやったし、後は何をしようか?」
「街を楽しくするものは他に何があるかな?」
みんなはまた考えました。
バケツにはまだ、葉っぱが残っています。
「この葉っぱは何の飾りにしようか?」
みんなは考えました。
様々な形がある葉っぱは、細かい模様を表現できそうです。
絵本で見るような街は、みんなが歩く地面までおしゃれ。
夢がいっぱいの砂の街は、歩いているだけでも楽しい気分になれそうです。
街を足元まで彩るには…。
みんなはいい考えが浮かびました。
「こんなのはどうかな?」
「とってもすてきだね、飾ろう!」
みんなは力を合わせて飾り付けを進めていきます。
みんなでアイデアを出して飾って行くと、砂の街がどんどん広がっていきます。
考えているうちに、ユヅルはもう体が動いていました。
花びらを丁寧に持つと、砂のお城のところにかがんで、花びらを飾り始めました。
砂のお城がピンクや水色、黄色、赤、きれいに彩られていきます。
(ユヅル)「ピンクの花びらを飾ったところはお姫様のお部屋かな?赤い花びらを飾ったところはパーティーをする大広間かな?」
飾っていると、ユヅルの想像力もどんどん膨らみます。
砂のお城の飾りを見た子ども達はにっこりと笑いました。
「お城に花びらはぴったりだわ!」
「ユヅルお兄ちゃんの飾り付け、とってもすてきだよ!」
子ども達の笑顔を見て、ユヅルは心からうれしく思いました。
それは砂のお城です。
お城は子ども達みんなが憧れている、華やかな建物。
お城にはたくさんのお部屋があって、どんなものがあるのか想像するのも楽しみです。
「お洋服の仕立て部屋はどんな感じ?」
「キッチンではどんなお料理を作っているのかな?」
子ども達の夢が次々に花開きます。
小さな花びらが身を寄せ合うことで、1つのきれいなお花ができています。
小さなものでも、1つの美しいものを作るのに、役目を持っているのです。
子ども達の手は小さくて、作業のスピードもスムーズに行かないこともあります。
でも、砂の街は子ども達の頑張りと夢でできています。
誰かが欠けたら、砂の街は広がらなくなってしまいます。
砂の街は、みんなの夢のお花のようです。
(ユヅル)「花びらは、どの建物に似合うかな?」
ユヅルは砂の街を見回して、ピンとくる建物を見つけました。
お家にはかわいらしい木の実や葉っぱが飾られています。
子ども達の楽しさがつまった飾り付けは思わず見入ってしまいます。
しばらく砂のお家の飾りをじっと見ていたユヅルは子ども達が砂の街の飾り付けをしているのを見て、はっと自分の飾り付けのことを思い出しました。
(ユヅル)「こんなにすてきな飾り付けをできるなんて、みんなはすごいなぁ。」
子ども達は砂の街を一緒に遊ぶ仲間のように、1つ1つのお家を大事にして、それぞれのお家に合う飾り付けをしています。
ユヅルは楽しく優しく飾り付けをする子ども達と、花びらを照らし合わせてみました。
「みんなって、花びらみたいに優しくて、色とりどりの個性があるな。」
子ども達の瞳はみんな優しい光を持っていて、緊張を和らげてくれます。
子ども達は小さいけれど、大きな夢を持っています。
薄いけれど、美しい色合いを持つ花びらみたいです。
ユヅルは花びらをどこに飾ろうか砂の街をじっくり見てみました。