ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」370

すると、そこにはかわいい子猫のぬいぐるみがちょこんと座っています。
(ピム)「あっ、猫さん、みーつけた!」
ピムは子猫のぬいぐるみを抱いて、ピピのところに行きました。
(ピム)「あったよ、お兄ちゃん!」
ピピは笑顔で答えました。
(ピピ)「やったな、ピム!」
ピピとピムは、お家のいろんなお部屋に行きます。
観葉植物をどかしてみると、
(ピピ)「あっ、ペンギンのぬいぐるみ!」
ダンスの隙間を見てみると、
(ピム)「コアラちゃん、いた!」
お家のあちこちでぬいぐるみを見つけましたが、気づけば探す時間は後10分ほどしかありません。
まだ見つけていないぬいぐるみは、後1つです。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」369

ピピとピムは、まずはリビングに行きます。
ピムは椅子を動かしたり、キョロキョロ辺りを見回しています。
でも、中々見つかりません。
(ピム)「ぬいぐるみ、ないなぁ…」
ピピはお兄ちゃんがどう探しているかを見てみました。
お兄ちゃんはソファのクッションをどかしてみたり、下を覗いたりしています。
ピピは弟に言いました。
(ピピ)「パッと目につく場所だけじゃなくて、見えにくい場所にもあるかもしれないぜ。」
(ピム)「見えにくい場所?」
ピムはテレビの陰を覗いてみました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」368

ピピ達が小さかった頃、秋の日のことでした。
ピピ達は、お家で宝探しゲームをして遊んでいました。
30分の間に宝物を全部見つけられたら探す側の勝ち、見つけられなかったら隠す側の勝ちです。
今日は、ピノがぬいぐるみを、お家のあちこちに隠します。
ピノがぬいぐるみを隠している間、ピピとピムは、別のお部屋に入って待ちます。
(ピピ)「ピノはぬいぐるみをどんなところに隠すかな?」
(ピム)「わかりにくいところにもあるのが、面白いんだよね。」
ピピとピムが話していると、ピノがお部屋に入ってきました。
(ピノ)「ぬいぐるみ、全部隠したわよ。」
ピピとピムは元気に立ち上がりました。
(ピピ)「よーし、頑張って探すぞ!」
ピム)「探検隊みたいで、ワクワクするな。」
張り切って探しに行くピピとピム、隠す側のピノはちょっとドキドキだけど、元気なピピ達を見ると楽しい気持ちも大きくなります。
(ピノ)「2人とも、元気いっぱいね。」

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」367

(ピピ・ピノ・ピムの母)「ああ、あの公園ね。」
(ピピ・ピノ・ピムの祖父)「大切な思い出があるよ。」
ピピ達のロルトの公園での思い出は、お母さんとおじいちゃんの心に、美しい思い出として残っているようです。
(ピピ)「どんなことがあったかな?」
(ピピ・ピノ・ピムの母)「あなた達が、すごく頑張ってくれたの。」
(ピム)「えっ、僕達、その公園で何かしたの?」
(ピノ)「公園は遊ぶ場所でしょ?」
お母さんとおじいちゃんは、ロルトの公園での思い出を話してくれました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」366

ピピはお家に帰って、ピノとピムにロルトの公園での思い出を聞いてみました。
しかし、
(ピノ)「その公園に行ったことは覚えてるんだけど…」
(ピム)「何があったまでは思い出せなくて…」
2人のお兄ちゃんのピピも、
(ピピ)「俺も、全部は思い出せないなぁ…」
ロルトの公園が閉鎖されてしまったのは、ピピ達がまだ小さかった頃のことなので、記憶が曖昧です。
すると、ピピ達のお母さんとおじいちゃんが3人に声をかけました。
(ピピ・ピノ・ピムの母)「みんな、どうしたの?」
(ピピ)「あ、母さん、あの老木さんが倒れちゃって…閉まっちゃった公園のことって、覚えてる?」
それを聞いたお母さんとおじいちゃんは、

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」365

(ミール・ユヅルの父)「ミール、ユヅル、楽しそうだね。」
(ユヅル)「あの公園でみんなで砂の街を作って、新メニューを作った時のことを話していたんだ。」
(ミール・ユヅルの祖母)「新メニュー、素晴らしかったわ。」
砂の街の新メニューのことは、お父さんとおばあちゃんの心にも、大切な思い出として残っていました。
公園が閉鎖されてしまったことが、みんなの心に浮かびました。
閉鎖の元となったのは、老木さんが倒れてしまったことですが、あの老木さんは、公園のシンボルとして、人々に親しまれていました。
その時、みんなは、とてもすてきなアイデアが浮かびました。
老木さんをかたどった、新メニューです。
どんな材料で作ろうか、どんな想いを込めようか、ワクワクが湧いてきます。
(ユヅル)「次は、ミールも一緒に…あの公園で子ども達と遊んで、みんなのアイデアを合わせた新メニューを作りたいな。」
(ミール・ユヅルの父)「普段調理器具に囲まれて過ごしているけれど、みんなが元気に遊ぶ場所に行ってみるのも、いいね。」
(ミール・ユヅルの祖母)「みんなが楽しそうに遊んでいるのを見ると、こっちも元気づけられて、いいアイデアが浮かぶの。」
(ミール)「みんなで…あの公園でアイデア探しをしたいな。」
ユヅル、お父さん、おばあちゃんはにっこりうなずきました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」364

ユヅルが話した時のことは、まだミールが生まれる前のことです。
あの時は、最初のアイデアはユヅル1人のものだったけれど、今は弟のミールと2人、アイデアも2倍です。
ユヅルとミール、2人でお出かけしたら、発見もたくさん、見つけたことを話したりできます。
2人であちこちお出かけして、アイデアを探すことがあったけれど、ユヅルの思い出がある場所には、まだ行ったことがありませんでした。
思い出がある場所からは、また新しい思い出が生まれることもあります。
兄弟で遊んでいる時も、いいアイデアが浮かぶこともあります。
閉鎖されてしまったけれど、たくさんの遊具に花壇、老木さん…。
(ユヅル)「あの公園に、みんなで行きたいな…」
ユヅルの素直な言葉でした。
子ども達の明るい表情を見て、お父さんとおばあちゃんは声をかけました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」363

お兄さんの思い出を聞いたミールの瞳がキラキラと輝きました。
(ミール)「楽しかったことを美味しいお菓子にできるなんて、すごいな。」
(ユヅル)「おばあちゃんの考え込むだけじゃなくて、体を動かしてみるといいっていうアドバイスは、すごく役に立ったよ。父さんも優しくサポートしてくれて、うれしかった。」
(ミール)「みんなの笑顔のことは、カフェのお仕事をする中で、すごく大切だね。」
ミールはワクワクしてきて、ユヅルに言いました。
(ミール)「兄さんと、父さんと、おばあちゃんとみんなであの公園に行って、アイデアを探したいな。」
それを聞いたユヅルは思い出のこと、これからのことをじっくりと考えました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」362

子ども達はうれしそうに言いました。
「砂のお城のケーキ、すごく美味しいな!」
「りんごのうさぎ、かわいくて美味しいな。」
「洋梨にマンゴー、初めて食べたけど、美味しい!」
お父さんお母さん達も明るく言いました。
「砂の街をかたどったお菓子、素晴らしいアイデアだね。」
「ホイップクリームのお花も、本物みたいよ。」
「見ても楽しい、味も美味しくて、すてきだわ。」
ユヅルの顔に、微笑みが広がります。
(ユヅル)「みんな、ありがとう。新メニューが出来たのは、みんなのアイデアのおかげだよ。」
みんなも優しく返します。
「ユヅルお兄ちゃんも、砂の街を一緒に作ってくれて、新メニュー、ありがとう。」
「砂の街を作るのも、新メニューも、すごく楽しいよ。」
ユヅルのお父さんとおばあちゃんも優しく笑います。
みんなの笑顔を繋がって、ユヅルはみんなとの時間をとても大切に思いました。

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ココのキセキとキズナの大冒険 第19話「おばけと忘れられた笑顔」361

ユヅルが作った新メニューのプレートは、みんなで作った砂の街、妖精や動物さん達をかたどった、スイーツのプレートでした。
お花の形のチョコやベリーなど、砂の街で使った飾りのお菓子もあります。
りんごのうさぎ、チョコプリンのスナネコもあります。
フルーツで作った妖精さん達は、今にも動き出しそうです。
妖精の王様、お姫様もいます。
フルーツの種類や切り方にも、いろんなバリエーションがあります。
ホイップクリームのお花畑には、甘い香りのいろんなクリームのお花畑が咲き乱れています。
ユヅルはにっこりして言いました。
(ユヅル)「みんなでめしあがれ。」
「ありがとう、ユヅルお兄ちゃん。」
「いただきます。」
みんなはユヅルの作った新メニューのプレートを食べてみました。

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