心をほっこりさせるお話作り – BLピンクが出版するまでの物語 –

先に見つけられたミラリィ、ミール、ピピも、イオがどこにいるかはわかりません。
(ミラリィ)「イオ､ 本当にどこに隠れているのかしら？」
(ミール)「もっと遠くにいっちゃったのかな？」
(ピピ)「姿も隠して、声も立てない…本当におばけさんみたいだな。」
ラブ達もおばけさんみたいにふわふわ飛び回ります。
(ラブ)「イオ君、すごく上手におばけさんになりきってる…」
その時、おばけさんが物の隙間をすり抜けるように、ひゅっと風が吹きました。

ラブ達は手分けしてあちこちを探しますが、
(ラブ)「イオ君、どこにいるのかしら…？」
(フルア)「中々見つからないわ。」
(スノー)「上手に隠れてるなぁ…」
ラブ達は飛び回ったり、木のてっぺんに登ったり、一生懸命あちこちを探しますが、イオは見つかりません。
一方、隠れているイオもドキドキ。
(イオ)「見つかっちゃうかなぁ…」
一生懸命静かにじっとします。
花の綿毛は１つ、また１つと風に乗って空へ飛んでいきます。

(フルア)「外に行く時は、周りに気をつけてね。」
ラブが花の綿毛に目をやると、綿毛はさっきよりも減っています。
(ラブ)「探せる時間が少なくなってきたみたい。」
(スノー)「後はイオ君だけだね。探しに行こう！」
ラブ達はまた出発です。

そこにはピピが隠れていました。
(ピピ)「あ〜っ、見つかっちゃったなぁ。」
(スノー)「近くに靴の跡があったんだ。」
(ピピ)「俺、よそみをしてたら足を滑らせちゃって…」
楽しいことが大好きなピピは、歩いているときに何か楽しいことはないかと、ときどきよそみをしてしまうことがあります。
(スノー)「僕もさっきぬかるみに足をとられちゃったんだ。」

(ラブ)「スノー君、どうしたの？…あっ！」
スノーが指した方には、靴の跡があります。
誰かが足を滑らせたようです。
(フルア)「この近くを探してみましょう。」
ラブ達は木の葉の間をすり抜けて飛び回ったり、草むらを覗き込んだり。
そのとき、ラブ達のほっぺを風がなでました。
気がつけば、あの花の綿毛は半分くらい飛んでいっています。
(フルア)「もうだいぶ時間が経ったみたいね…。」
ラブ達は一生懸命イオとピピを探します。
スノーが一際大きな木の陰を覗くと、

しばらく歩いていると、
(スノー)「うわっ！」
イオとピピを探すのに夢中になっていたスノーはぬかるみに足をとられてしまいました。
そこへラブとフルアもやって来ました。
(フルア)「お兄ちゃん、大丈夫？」
スノーは飛膜を広げてふわっと舞い上がります。
(スノー)「ああ、平気だよ…あれ？」
スノーはあるものに目を止めました。

ラブ達は一生懸命イオとピピを探しますが、隠れる方もしっかり考えて隠れています。
ラブ達は、また手分けして２人を探します。
(スノー)「イオ君とピピ君、どこだろう…？」
スノーは木に登って辺りを見渡します。
(スノー)「中々見つからないなぁ…」
スノーは下に降りて、青い大きな瞳で周囲を見回します。

(ラブ)「ミール君は、いつもアイデアの元になるものをメモに書いていて、すごいわね。」
(スノー)「だから、カフェ・ド・アニマルのお料理、お菓子はいつも美味しいんだね。」
ラブ達の笑顔を見たミールはにっこり笑って、アイデアをメモ帳に書き留めます。
(スノー)「後はイオ君とピピ君だね。探しに行こう！」
ラブ達はまた元気に飛び立ちます。

(フルア)「ミールさん！」
そこにはミールが隠れていました。
(ミール)「見つかっちゃったな。」
(フルア)「これが落ちていたのよ。」
フルアはミールにメモ帳を渡しました。
(ミール)「ありがとう､フルアちゃん。」
ミールはいつも､カフェのメニューのアイデアの元になるものを見つけたり、気づいたりすると、それをメモ帳に書き留めています。
藪に入ったとき、枝に引っかかって落としてしまっていました。

(ラブ)「フルアちゃん、どうしたの？」
(フルア)「これが落ちていたの。」
フルアは拾ったメモ帳を見せます。
それを見たラブとスノーも､
(ラブ)「これが落ちているということは…」
(フルア)「みんなでこの辺りを探そう。」
ラブ､フルア､スノーはメモ帳が落ちていた辺りを探します。
フルアが大きな葉っぱが茂っている場所を覗いてみると、